アイデア次第?

 

 先日、出版部編集課では研修の一環として、東京港区新橋にある「アドミュージアム東京」(カレッタ汐留内)に行ってきました。広告の社会的・文化的価値への理解を深めることを目的として開設された施設で、江戸時代の宣伝の方法や明治から現在に至るまでの日本の広告ポスター、コマーシャル映像が時系列で展示されていて、関連資料も多数あります。また、ちょうどこの日には、ニューヨークに拠点を置く非営利団体ワンクラブが主催するコンテストでの受賞広告作品を紹介する企画展「世界のクリエイティブがやってきた!」が開催されており、海外の広告も見ることができたので、美的センスや発想力とあわせて、考え方や捉え方の日本との違いも感じることができました。
 たとえばポスターの場合、商品や店舗の特徴や良さを紹介するには、デザインはもちろんのこと、扱う題材や素材が衆目を集めるようなものでないと、なかなか宣伝効果は得られません。また、わかりやすさとインパクトはつねに求められるものです。ただ、商品広告は、それを扱う企業のイメージに大きな影響を及ぼすため、悪いイメージとして捉えられないよう配慮するのは当然のことでしょう。
 しかし海外には、「これはありなのか?」と思うような、大胆なコマーシャルが存在します。一例をあげると、アメリカの大手ハンバーガーチェーンの広告では、「直火焼き」をアピールしたいがため、実際に起こった自社店舗の火災写真を用いるという、いわば自虐ネタとも言えるようなことをやっています。店舗で火災事故を起こしたという事実は、企業側にとっては「安全管理が徹底されていない」「危機管理が足りない」「周りに迷惑をかけた」など、負のイメージをもって語られることでしかないはずです。ですから、このような逆転のアイデアを思いつくこと自体がすごいことですが、それを採用した経営者の度胸と柔軟さにも驚かされます。好印象を重視する保守的な日本の風土では、クリエイター側がこのようなアイデアを持ち込んだとしても、なかなか採用までには至らないかもしれません。
 文化や風土によって考え方や受け止め方は異なりますので、広告のあり方も変わってきます。一概に「アイデア」といっても、現地のマーケティング・リサーチを踏まえなければ、宣伝効果どころか反感を与えかねません。ただし、既成概念に囚われているだけでは斬新なアイデアは生まれませんので、そのあたりのバランス感覚も求められるのでしょう。

 

 今回はいろいろ勉強になった。これを機に自分の殻から抜け出してみようか。

 えっ、お前には難しいんちゃうかって? 何いうてんねん、チャレンジや。

 


スピンも重要なアイテムです

 前回紹介したスピンについての話の続き。

 

 スピンの数に明確なルールはありません。文書全体を始めから通読していくような一般的な書籍では通常1本ですが、儀式に用いる書籍には、利用の便にかなうよう、複数取り付けられているものがあります。

 

(『典礼聖歌』を天から見たもの)

 

(『典礼聖歌』の地から見たもの。長いスピンが使われています)

 

 ミサの中で歌う歌が載った『典礼聖歌』には、スピンが4本ついています。ミサでは、入祭の歌(入堂行列の時)、奉納の歌(奉納行列の時)、拝領の歌(聖体拝領の際)など、いくつもの歌が歌われます。ミサの最中にそのつどページを探すようでは、歌い出しに間に合わなくなりますので、その日に歌う歌のページにあらかじめスピンを入れておくことができるよう配慮がなされています。特に、ページを素早く開くことが求められる聖歌隊にとっては、必要不可欠なものでしょう。

 

(『ミサ典礼書』)

 

(『ミサ典礼書』のスピン。ページを素早く開くため、スピンは小口からのぞかせるようにしています)

 

 また、司祭が祭壇で用いる『ミサ典礼書』(儀式書)には紐幅の広いスピンが4本ついています。おおざっぱに説明すると、ミサの式次第は、共通の式文(どの日にも必ず唱えられる定型文)と典礼暦の内容に沿った固有の祈願文(日によって変わるもの)とで成り立っていて、『ミサ典礼書』にはいずれも掲載されています。(ミサには聖書朗読もあり歌も歌われますが、それらは別の書籍にまとめられているため、『ミサ典礼書』には載っていません)。また、共通の式文と固有の祈願文は分けて掲載されているうえに、固有の祈願文の数は多く、ページが大きく飛んだり逆戻りしたりすることが複数回生じるようなページ構成でもあるため、複数あるスピンをそれぞれ該当ページあらかじめ挟んでいなければ、ミサの進行を滞らせてしまうことになってしまいます。4本のスピンは、儀式書のページ構成から必然的に生じるものなのです。

 

 儀式や式典を荘厳に挙行するには、スムーズな進行と、参列者の統一された所作が求められます。儀式書のスピンは、まさにマストアイテムなのです。


不揃いなのはなぜ?

 

 1月25日に発行された『典礼聖歌(一般用・新装版)』。これまであかし書房から発行されていた『典礼聖歌(一般用)』と同様、しおりとして用いる紐が4本ついています。表紙と本文との間に糊付けされたこのしおり紐、日本では「スピン」(spin)と呼ばれています。

 

 

 上製本(本文に対して表紙の寸法が長いもの)である『典礼聖歌』は、スピンがついているうえ、天(書籍ではページ上辺を天、下辺を地、綴じられた辺の外側を背、内側をノド、開く側の辺を小口といいます)がきれいに断裁されています。
 ところが、並製本(表紙と本文のサイズが同一のもの)にスピンが付されている場合(身近な例では新潮文庫がそうです)、天が断裁されずに不揃いのままになっています。カトリック中央協議会から発行されているものでは、『成人のキリスト教入信式』がそれに該当します。

 

 

 

 ではなぜ、上製本ではきれいに整っているのに、スピンのついた並製本の天は不揃いなのでしょうか。それは、製本工程の違いによるのです。

 製本は、折り、丁合、綴じ、断裁といった順序で作業が進行しますが、スピンは表紙を本文にくるむ際に取り付けられます。三辺をきれいに整えるための断裁加工を化粧断ちといいますが、この化粧断ちの手順が上製本と並製本では異なるのです。
 上製本の場合、本文に対して表紙は一回り大きいサイズのものを用いるので、あらかじめ本文を化粧断ちしてから表紙を取り付けます。一方、並製本の場合は、表紙と本文を同じサイズに揃えるため、本文を表紙でくるんでから化粧断ちを行います。したがって、並製本ではスピンの取り付け後に断裁をするので、もし天を化粧断ちしたら、すでにつけられているスピンが切断されてしまうのです。

 確かに、三辺が断裁されていれば見た目はきれいですっきりした感じにはなります。でも、製本の都合からくる不揃いとはいっても、不揃い具合には1つとして同じものがありません。ですから、世界で1つだけの、すなわちあなたがお持ちのものだけの、特別感があっていいのではないでしょうか。

 

 「ちょっとその言い分、無理あるんちゃうか」


仕事納めではありますが。

 主のご降誕、おめでとうございます。
 クリスマスを皆様はいかがお過ごしになられたでしょうか。

 

 今年も残すところわずかとなりました。カトリック中央協議会は本日(27日)が仕事納めとなります。出版部編集課にとっては、今は厳しい締め切りに追われるような状況にないため、今日も淡々と仕事をこなしていけばよいのですが、営業課にとっては、26日までに受注したものをすべて発送しなければならないうえ、年度末(中央協議会の会計年度では、教皇庁に合わせて12月が年度末になります)の棚卸しがあるため、ややハードな一日になります。ここでお断りさせていただきますが、27日にご注文いただいたものは年明けの発送になりますのでご了承ください。

 

 

 ところで、前回のブログでお知らせした『典礼聖歌(一般用・新装版)』の表紙サンプルが出来上がりましたので簡単に紹介します。
 材質は、これまでと同じ布クロス貼りの上製本(つまりハードカバー)ですが、色には「こんじょう(紺青)」を採用しました。また、背の部分の箔押し文字には、これまでの明朝体ではなく「花牡丹」という書体を用いています。「花牡丹」は、石に刻まれた文字の摩耗を想起させる書体である隷書体の一種ですが、さほど扁平ではなく、隷書体の風格と現代的な雰囲気がうまくマッチした書体です。

 

(左が新装版。旧版と並べてみると書体の違いがわかります)

 

 

(表紙を旧版に被せてみました。こんな感じになります)


 1月19日の発売を心待ちにされている方もいらっしゃると思いますが、見た目が変わっても中身はこれまでと大きな違いはありませんのでご注意ください。

 

 といったところで今年のブログ更新はこれにて終了です。

 

 本年も皆様には大変お世話になりました。感謝申し上げます。
 来る年もよろしくお願い申し上げます。

 

 なお、新年は1月7日から営業を開始いたします。ただし当日は、始業時刻の9時より職員全員参加の新年ミサが行われますので、出版部の窓口業務は10時以降の開始となります。ご理解のほど、よろしくお願いいたします。


『典礼聖歌(一般用)』が、カトリック中央協議会から発行されることになりました。

 

 このたび諸般の事情により、『典礼聖歌(一般用)』の発行をあかし書房よりカトリック中央協議会が引き継ぐことになりました。『典礼聖歌(一般用・新装版)』として1月19日に発売されます。

 

 「内容の変更は?」

 

 装丁(表紙)は新たになりますが、サイズに変更はありません。内容に関しても、出典箇所の訂正など細かな修正を施すのみで前版と大きくは違いません。ただ、2017年に発行された「ニケア・コンスタンチノープル信条」と「使徒信条」の新しい旋律が付録に収録されています。


 「伴奏用は?」

 

 『典礼聖歌(伴奏用)』については、現時点ではカトリック中央協議会にて取り扱うものではありませんので、サンパウロ、女子パウロ会、ドン・ボスコ社などのカトリック書店にてお求めくださいますようお願いいたします。

 

 

 

 上の写真は、印刷の位置や色合いなどを確認するために用いられる「刷り出し」と呼ばれるものです。単行本の刷り出しは、通常仕上がり(完成品)と同じ形になりますが、この刷り出しでは、写真のように2冊分が上下に並んだ形になっています。これは、書籍が横長のものや小さいサイズのものでは、二丁刷り(製本過程では「二丁製本」)という1度に2冊分を刷ってしまい、製本工程で仕上げ断裁とともに2つに分割する方法が用いられるためです。

 

 印刷や製本行程について詳しく紹介したいところですが、話が長くなってしまいますので、後日、あらためて紹介したいと思います。

 

 それでは、よいクリスマスをお迎えください。


『教皇フランシスコ講話集5』(ペトロ文庫)発売!

 

 

 教皇フランシスコが2017年中に一般謁見や「お告げの祈り」、司牧訪問先などで語った言葉のうち62編をまとめた『教皇フランシスコ講話集5』。ペトロ文庫として12月14日に発売されました。

 聖書や典礼暦などの解説をはじめ、日本の司教への親書、『カトリック教会のカテキズム』公布25周年記念講話、核兵器廃絶のための国際シンポジウムでのあいさつ、少数民族問題で揺れるミャンマーとバングラデシュへの司牧訪問の振り返りなど、霊的生活に関する事柄から時事問題まで幅広いテーマが取り上げられていて、なおかつ話されたものですから、回勅や使徒的勧告に比べるとその内容も噛み砕かれています。信仰生活を深めてくれること請け合いの一冊です。

 

 『教皇フランシスコ講話集5』は紙版とともに電子版も発行されています。電子版は、amazon.co.jp、honto.jp、yodobashi.com、Apple Booksなど、各ストアにてご購入いただけます。

 

 ぜひお買い求めください。


なんでデジカメ?

 

 

 出版部所有のコンパクトデジタルカメラ。このブログに使用する画像もこのデジカメで撮影したものがほとんどです。また、コンパクトデジタルカメラとはいえ、普及し始めたころと比べ性能も解像度も向上しているので、書籍やチラシに使用可能な写真を撮ることも可能で、それを月刊誌『毎日のミサ』の表紙に用いたこともあります。

 一方、スマートフォンのカメラ機能も格段に向上し、高精細な写真が撮れるようになりました。フェイスブックやインスタグラム、ツイッターなどSNSを利用する際には、撮影したその場で投稿できる便利さもあるため、スマートフォンを用いることがほとんどです。しかし外出時には、このデジカメも持ち歩くようにしています。先日も、所属教会の用事で岐阜県の教会を訪問する機会があったので、聖堂や聖像をこのデジカメで撮影し、それを『毎日のミサ』の表紙で使用する許可もいただいてきました。言い添えておきますと、表紙のための画像収集のみならず、所属教会以外の教会を訪問する際には、このブログで紹介できそうな情報も収集するようにしています。

「デジカメ、いらんやろ」

 

 いえいえ、デジカメでなければならないのです。印刷物に劣化(荒い画質)した画像を用いるわけにはいきませんので、被写体を拡大しても画質が劣化しない光学ズームが搭載されたデジカメでなければならないという機能的な理由もありますが、それ以外に、私の思い入れという面もあります。
 私の青年時代にはデジカメも携帯電話もありませんでした。写真を撮るにはアナログのカメラを用いなければなりませんでした。シャッターボタンを押して撮影し、撮った後はフィルムを現像してプリントにする。同じような時代を過ごされた方は、フィルムを現像に出してからプリントを受け取るまでの待つ間も楽しかったとの記憶をお持ちの方もおられるのではないでしょうか。
 デジカメもスマートフォンも、現像という過程を経ることなく撮った画像をその場で確認できるという点では同じですが、撮影する際のシャッターボタンを押す動作は大きく異なります。
 液晶画面に示されたシャッターマークにタッチして撮影するスマートフォンに対して、デジカメにはシャッターボタンがあります。アナログカメラでシャッターを押す動作に慣れている私にとっては、どれだけスマートフォンのカメラ性能が向上しようともこの動作にはこだわってしまいます。そのようなこだわりから、スマートフォンは用いるものの、残しておきたい大事な画像はデジカメで撮影しています。このブログに使用する画像も、私が撮る場合は、スマートフォンではなくデジカメを用いているのです。

 

 私にとって、デジカメは手放せないアイテムです。


イヤーブックって何やねん?

 

 

 『日本カトリック司教協議会イヤーブック2019』が12月11日に発売されます!

 

 「イヤーブック? ハンドブックと何が違うねん?」

 

 『日本カトリック司教協議会イヤーブック』は、司教協議会と各委員会の一年間の活動を紹介する年次刊行物です。司教総会の議事録や、司教団・各委員会より発表された公的発言、また、各教区の紹介、司祭名簿、カトリック中央協議会刊行の書籍一覧、歴代の教皇一覧、世界および日本の教会現勢などが掲載されています。
 教会の住所録や典礼暦が掲載された『カトリック教会情報ハンドブック』は日常で活用するガイドブックのようなものであるのに対し、『日本カトリック司教協議会イヤーブック』は資料集といったものです。

 

 

 

 資料集ですので、年次刊行物であっても時間の経過に伴って利用価値が下がるということはありません。『教会暦と聖書朗読』『教会の祈り―日々の手引き』『毎日のミサ』などとは違って、『日本カトリック司教協議会イヤーブック』には、その年の教会内外の諸問題とそれらに対する教会の対応についてが記されているため、後日その年を振り返る必要がある際の参考資料ともなります。

 

 備えておきたい1冊、ぜひあなたのお手元にも!


電子書籍はいかかですか?

 教皇フランシスコの使徒的勧告『喜びに喜べ』のkindle版が発売されました。カトリック中央協議会が発刊する電子書籍第1号です。通販サイトAmazon.co.jpのkindleストアでご購入いただけます。

 

電子書籍専用の端末(画面中央)と

タブレット端末にアプリを入れたもの(同右)

 

 

 「電子書籍? 専用の端末が必要なんちゃうの?」

 

 いいえ、お手持ちのスマートフォンやタブレット端末でも、電子書籍を読むためのアプリをインストールすることでお読みいただけます。PC用のリーダーも無料で提供されていますから、パソコンでもOKです。ただ、アプリそのものにもいくつか種類があり、読もうとする電子書籍の販売サイトの規格に対応したものでなくてはなりません。Amazonで取り扱われる電子書籍については、Kindle版の電子書籍に対応するアプリを入れておく必要があります。

 

 「何、アプリ選ばんとあかんの? 面倒やな」

 

 確かに専用の端末ではなく、スマートフォンやタブレット端末で読む場合は事前の準備が必要ですが、難しいことではありません。それよりも電子書籍の利便性は無限大です。何しろ、文字は拡大できますし、しおり機能も付いています。また、付箋を貼るようにメモだってできるのです。さらに、1つの端末に多数の書籍を入れておくことができるうえ、インターネットに接続できるところならいつでもどこでも欲しいタイトルが入手可能。たとえ無人島でも……さすがにそれは無理ですが、はっきり言って書棚を持ち歩くようなものです。

 

 通話、メール、ゲーム、SNS、ネットショッピング、動画……。いろんな使い方ができるスマートフォンに「読書」も加えてみてはいかがでしょうか。

 実用書や漫画など、ジャンルやタイトルも増えています。出版部でもこれから電子書籍のタイトルを増やしていく予定ですので、ぜひご注目ください。


 なお、近日中にAmazon以外の主要ネット書店でも販売が開始されます。Kindle以外のリーダーをご利用の皆様は、申し訳ありませんが今しばらくお待ちください。


ただいま「仕込み中」

 年次刊行物『教会暦と聖書朗読』『教会の祈り―日々の手引き』『カトリック教会情報ハンドブック』のご注文を続々といただいており、営業課では発送に向けて「仕込み中」です。

 

「仕込みってなんやねん」

 

 要するに、品物に同封する納品書や請求書、発送作業に必要なピッキングリストやパッキングリスト、宛名ラベルなど、これら帳票を用意することを、出版部では便宜上そのように呼んでいます。

 

 
 

 予約受注の場合、入荷後直ちに梱包・発送作業が行えるよう、事前に仕込みをするのは当たり前のことですが、特に年次刊行物の場合は数が多くなるので、大変な作業になります。皆さまにいち早くお届けできるよう、ただいま奮闘中です。

 

 ちなみに、出版部から発行されている書籍は、一部を除いて一般書店やネット書店でも購入できます。ネット書店には送料無料のところもありますし、たいていはクレジットカードによる決済も可能です。そちらもご利用いただければと思います。


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